Spendor BC-II

Spendor BC-II
 
Spendor_BC-II ~ロングセラーの不朽の名作~
 
<オークション:110564699233 Spendor BCII Speakers Rare Ends Aug 01, 201008:09:52 PDT>
 
– Spendor BC-II –
 
●イーベイUKにて、スペンドールのあのBC-IIを見つけました。当時BBCのエンジニアだったスペンサー・ヒューズ(Spencer Hughes)によって1969年に設立されました。やはりBBCのエンジニアだった息子のデレクさんと奥さんを中心とする小規模な会社で、社名はスペンサー(Spencer)とドロシー(Dorothy)を合わせてスペンドールになったわけで、ハーベスみたいですねぇ(ハーウッド+エリザベス夫人)。さて、スペンドール社が1969年に設立されたのは、もとは趣味で友人に作ってあげていたスピーカがものすごい性能だったので、回りの人からも注文が殺到し、会社設立となったわけで、このスピーカが名機BC-Iとなり、BBCのモニタとして採用となるわけです。その後、2001年にフィリップ・スウィフト(Philip Swift)に買収され、伝統的技術に進歩的メーカーの技術がプラスされた現代のスペンドール社に成長することができたという数少ない買収による成功例です。型番のBCというのはスペンサー本人曰く、ウーハーに採用された素材のベクストレーン(Bextrene) のBとトゥイータに採用したユニット供給元のセレッション(Celestion) のCという意味だそうです。BC-IはBBCモニタースピーカとして有名ですが、残念ながら市販はされていません。市販されたのがBC-IIとなるわけです。英国BBC放送の標準モニターに採用されているスペンドールBC-Iに高分解能バランスの良さや充実した中音域というその持ち味をベースに改良を重ね、改良型にしたのがBC-IIです、さてどんな音色で鳴ってくれるのでしょうか。
 
●BC-IIはBBCがBC2/8MKIIと呼んでいた20cmのベクストレーン製コーン型ウーハーにセレッションの3.8cmドーム型16ΩトゥイータHF-1300が搭載されていて、これにColesの1.9cmドーム型スーパートゥイータ4001G(これも16Ω)が追加された3ウェイとなっています。4001GはITT(International Telegraph Companyといって1925年にATTが通信機器を譲渡した会社)傘下だったSTC社製STC-4001スーパートゥイータで、ColesはSTCの製造委託会社のことです。これを3kHzと13kHzでクロスさせています。f特は40~20kHzとなっています。
 635x300x300㎜と割と大きめのエンクロージャですが、板厚が薄いのが特徴で、箱鳴りを積極的に取り込んでいますが、適度に減衰させるための工夫がされています。バッフルとバックパネルは12.3mm厚のバルトプライという材質、側板は10.5mmでバーチ材突き板仕上げが施されており、内部には10mmの軽量アスファルトを染み込ませたパネルが装着されており、これで適度な減衰が得られるようになっています。発表は1973年で、このBC-IIが日本でも大ヒットで20年の超ロングセラーモデルとなりました、1996年には復刻版も出ています。そこで1975年には30cm口径のベクストレン・コーン型ウーファーを追加して一回り大きくしたBC-IIIが発表となるわけです。BC-IはBBCモニタのため市販されていないのですが、英国にはちゃんとBC-Iとして発売されているものがあります。BC-I、BC-II見た目はまったく同じなんです。違いはというと、ウーハーのボイスコイル径で、BC-Iは26㎜で、BC-IIが40㎜となっています。
 
●BBCモニタとして有名ですが放送局のモニターとしてだけでなく家庭用としても素晴らしい音楽を提供してくれるスピーカーです。
瀬川さんも大好きだったBC-IIです。菅野氏も、このスピーカーで、とくにクラシックのプログラムソースを、適当な音量で鳴らしたときのすばらしさは比類のないものである、音の粒立ちがよく、それでいてなめらかで、暖かで、艶があって、端正で、そして中音から低音にかけてはたいへん芳醇、と絶賛。弦楽器の再現力は本当にすばらしいものがありますが、私はフルオケには耐えられないなぁという印象を持っています。クラッシックに限らず、ジャズをかけてもその息吹が伝わってくるような味を持ったスピーカーと評価されるあたりはモニタの性格をきちんと踏まえているからでしょう。 ワイドレンジで、全帯域に緊張感がありながら上品な音です。
 
●価格は信じられないことですが、£100(≒\1.4万)となっており6BIDSと大した人気でもありません。日本なら一桁違うと思いますね、秋葉原あたりでこれが置いてあれば私はその場で即買いしています。\5万が相場、\3万で即買いと勝手に値付けいたしました。輸送重量の関係で間違いなく落札価格より送料の方が高いですが、30年のロングセラー名機をいかがでしょうか。
 
カテゴリー: オーディオ パーマリンク

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